MEMBER
湯澤 恵介
学校法人梅村学園中京大学学術情報システム部
情報システム課
坂倉 康平
学校法人上智学院総務局経営企画グループ
武田 享也
駒澤大学総合情報センター情報ネットワーク課
アプリケーション係
喜多 真一
国立大学法人大阪大学情報推進部
デジタル戦略推進室専門職員
司会河越 英代
慶應義塾広報室長、
広報・情報委員会大学時報分科会委員
1-1生成AIの可能性を実感
トライアルから本格導入へ
河越 近年、生成AIが急速に普及しています。当初は、学生のレポート作成などにおける影響を憂慮するようなネガティブな反応が多くを占めていましたが、現在では、「いかに生成AIを活用するか?」に焦点が移り、積極的に利用する流れが生まれています。大学事務においても、業務が多様化する中で、生成AIを活用して、効率化や質の向上を目指し、新たな業務への取り組みを進める動きが出ています。今回は、実際に生成AIを導入している大学の皆さまと、現場での経験を共有いただきながら、生成AIが大学事務にもたらす影響や変化について議論を交わしたく思います。初めに、生成AIを導入した背景についてお話しいただけますでしょうか。
湯澤 中京大学の湯澤です。本学は2024年6月に企業向けのプラットフォーム「Graffer AI Studio」を導入しました。今後、人口減少に伴い職員の数も減っていくことが予想される中で、持続的な大学運営と業務の質向上を目指し、生成AIの可能性を検証するために導入を検討しました。業務においてどの程度の効果があるか検証を行った結果、職員に広く浸透し、エントリーシートの添削などのキャリア支援、国際化に伴う翻訳業務など多くの分野で活用され、質的な変化が見られたことから、本格的な導入に至りました。
武田 駒澤大学の武田です。本学では、職員1人当たりの学生数を示すSS(Student-Staff)比率が、同規模大学や競合大学と比較して高い水準にあります。その分、職員の業務負担が大きく、新規事業に取り組む余裕がないという課題がありました。そのような状況を打開するために、DXによる業務効率化を推進していましたが、生成AIが登場したことで、そのインパクトに期待して導入を目指しました。2023年にChatGPTが登場した頃から業務における利用価値の検証を始め、約2年後の2025年4月に、正式に職員全員が利用を開始しました。利用開始から半年後にアンケートを取ったのですが、用途のトップ3が、生成AIの得意分野である文書作成、メール対応、議事録作成でした。業務の質の向上に関しては、ミスが減った、精度が上がった、新しいアイデアや視点の獲得につながったという意見が届いています。

1-2利用ガイドライン制定、
大学専用環境での利用
安心・安全な利用を目指す
坂倉 上智大学の坂倉です。本学ではグローバル化対応と業務効率化の推進を背景として、2023年秋ごろから一部部署で生成AIチャットの試行を開始するなど組織的な事務利用を本格化し、2024年1月には事務利用向け生成AIガイドライン整備や利用説明会を開催するなど、業務での安全な利用に向けた取り組みも行っています。現在、全教職員がマイクロソフトの「Copilot」を利用できる環境になっていますが、本学の生成AI利用の特徴は、特定の生成AIツールに利用を限定するのではなく、個々の業務ニーズに応じて使いやすい生成AIをマルチに利用している点です。例えば、国際的な業務が多い部署を対象に文書翻訳AIツールを個別導入するなどしています。最近では職員の間でもさまざまな活用アイデアが出てきており、知恵を結集してより良い活用方法を探っていきたいと考えています。
喜多 大阪大学の喜多です。本学は、2023年に生成AIの無料トライアルができるようになった時、希望する職員に実際に使用してみてもらいました。その後、アンケートを行ったところ、文書の要約、翻訳業務、企画立案をする上での壁打ちなどで活用されており、「非常に便利だった」、「もっと高性能な生成AIが使いたい」という声が多く見られました。一定の業務効率化が見込まれると判断し、いろいろな生成AIを比較検討した結果、「Knowledge Stack」を選定し、2024年5月に全学の事務部門を対象に本格導入を開始しました。このシステムは、マイクロソフトが提供するクラウドコンピューティングサービス「Azure」の大阪大学専用の環境内で運用されており、プロンプトに投入されたデータは国内の閉域サーバ内で管理される仕組みになっていることから、職員が安心して生成AIを活用できる状態になっています。
1-3導入で生まれた変化
さまざまな工夫から生まれた可能性
河越 各大学がどのような目的を持って、生成AIを導入しているのかがよく分かりました。続いては、具体的な活用事例とそれに伴う導入効果について伺いたく思います。生成AIを利用している職員の反応などもありましたらお聞かせください。
坂倉 先ほど申し上げたとおり、本学ではグローバル化対応も生成AIの利用を促す要因となっています。2024年に学内の発信文書・会議資料の英語化を義務付けるガイドラインが策定されたため、文書翻訳AIツールを導入し、主に学部・学科事務室や国際系業務を行っている部署の職員に提供しました。その結果、半年で学内文書の英語化率が、従来の2割程度から5割程度まで高まりました。また、翻訳の他にも、文章処理が必要な業務でのニーズの多さを実感しています。メール作成や議事録作成といった日常的な業務で活用している職員もいますし、学生アンケート調査の自由記述回答から傾向分析を行うなど、より専門的な業務で活用する職員もいます。また、大学事務はさまざまな会議も多いと思いますが、会議資料の準備や議事録作成での生成AI活用も増え、効果を実感している職員が多くなっていると感じています。他にも、再雇用のベテラン職員の方がいるのですが、かなり生成AIを使いこなしており、官公庁向けの申請書類作成のような複雑な業務においてもリサーチから資料作成などさまざまな場面で活用しています。ベテランならではの経験に基づくファクトチェックも機能するため、人と生成AIの理想的な協働ができています。
武田 これまでさまざまな生成AIサービスの検証やAIチャットボットのプロトタイプ開発を行い、学内での活用可能性を検討してきましたが、それを通して生成AIの利用を学内で広く浸透させるためには、ツールを切り替える手間をかけず、普段の業務環境で生成AIを活用できることが重要だと考えました。そこで、日常業務で利用している「Google Workspace for Education」に付帯する「Google AI Pro for Education(旧Gemini Education)」を導入しました。現在の利用状況は、月間アクティブユーザー率が約80%、1日当たり約30%となっています。アンケートで満足度を調査しているのですが、利用者の85%が「満足している」という結果になり、80%が「業務の質の向上を実感している」と回答しました。また、「どのくらい時間削減効果が得られていますか」という質問においては、平均削減率65・5%を達成していることが分かりました。
先日、学内のトップユーザー3名に活用事例を紹介してもらう学内セミナーを開催したのですが、非常に興味深かったです。1名は、キャリア支援部署への異動直後もすぐに活躍できるよう、企業分析レポートのテンプレートを作成し、学生の相談を聞きつつ生成AIが企業情報を収集する仕組みを作り、その情報を参考に学生をサポートしていました。他には、留学関連の部署でイベント開催を告知するためのWebサイトを生成AIで作成した、複雑化し属人的となった業務を生成AIと共に改善した、という事例が紹介されました。これらの例から、業務に適した生成AIの使い方をそれぞれ工夫して、実用的に、そして自走して運用していることが分かりました。
1-4教員からも利用希望が
使用しない層へのアプローチも必要
喜多 本学職員の生成AIの毎月の利用状況は約50%となっており、その多くが企画の立案や文書の翻訳、要約業務など汎用的に使われています。また、教員が研究資金を調達する際の応募書類や申請書類の添削を事務職員が担当しており、生成AIを使うことでその作業に要する時間が大きく削減されたという報告も聞いています。本学の生成AIのサービスは、当初は職員にのみ展開していましたが、教員側からも使用したいという要望があり、試験的に提供することにしました。その結果、多くの申し込みがあり、論文の作成やプログラミングの支援に活用されています。本学の生成AIサービスの特徴として、「プロンプトに入れた情報が外部に漏れることがなく、学習にも使われない」という点が挙げられます。教員側としては、やはり自分の研究情報を外部に出したくないという要望があるため、セキュリティが担保された生成AIサービスに対するニーズは高いようです。
湯澤 本学で2024年に生成AIを導入した当初の利用率は50%前後でしたが、2025年10月時点で約80%まで拡大しています。そのことから、学内で生成AIが非常に活発に使われるようになってきたことが分かりました。その一方で、どう活用したらいいか分からないという職員もいるため、効果測定も兼ねて事例共有会を開催しています。まず、アイデア出しや文書作成といった基礎的な活用事例を紹介して生成AIの可能性を認識してもらうことから始めました。何度か開催する中で、職員の間で生成AIの業務への利用が浸透してきたため、今後は成功事例を横展開することを目的にさらに深掘りしたテーマで事例共有会を実施していきたいと考えています。また、生成AIの具体的な用途としては、エントリーシートの添削のようなキャリア支援に加え、財務部門においては、複雑化している予算集計業務を、エクセルマクロの自動生成によって標準化し、業務の効率化を実現しました。他にも、「Google Workspace」の機能を自動化・拡張するための、JavaScriptベースのプログラミングプラットフォームである「Google Apps Script」のプログラミングコードを生成してアプリケーションを構築するなど、高度な業務効率化と職員のスキル拡張に直結する活用方法も見られます。
2-1セキュリティをいかに確保するか
河越 皆さまのお話を聞いて、成功事例が多くあることが分かりましたが、その一方で情報漏洩のリスクや運用の難しさといった課題もあるかと思います。その点に関して、各大学で独自の取り組みがありましたら教えてください。
武田 本学では、Googleが提供するGoogle AI Pro for Educationを大学として正式に契約しています。学習機能が適用されず、やり取りのデータも大学が保持するという契約になっているためです。それ以外の生成AIの使用も許可していますが、ガイドラインを作成し、個人情報や機密情報は入力しないように通達しています。また、課題の一つとして、生成AIを使う人と使わない人に二極化している状況があります。生成AIを使わずに独自の工夫で業務効率化を実践している職員もおり、生成AIの必要性を疑問視する声も聞かれますが、彼らに対して生成AIの利用価値を伝えていくことも必要だと思っています。そのため、セミナーの開催や、具体的な活用事例やプロンプトを投稿して共有できる生成AI活用推進サイトを作るといった取り組みも行っています。それでも、セミナーに参加せず、サイトも見ないという職員がいますので、今後は手続きフローや注意点を確認できる有用性の高いチャットボット等を提供し、生成AIに触れる機会を増やしていきたいと考えています。
喜多 本学も一般の生成AIの利用に対する制限は設けていませんが、やはり個人情報や機密情報は入力しない使い方を前提にしています。入力が必要な場合は、大学で定められたセキュリティの手続きを踏んだ上で使用してもらうようにしています。また、生成AIはどうしてもハルシネーション※1を起こしてしまうので、回答に対する最終的な判断は必ず人間が行うようにセミナーを通して指導しています。本学で正式に導入している生成AIは一般的なものではなく、セキュリティを考慮して独自にカスタマイズしています。そのため、一般的な生成AIで可能な画像や動画、音声データを使った質問や、Web上の情報の検索ができなくなっています。その点において利便性が落ちるため、セキュリティを確保しつつ、どう使いやすくしていくかが課題となっています。また、検証を繰り返しながら導入を進めていますが、生成AIは進化のスピードが速いため、1年前のバージョンでも機能が十分でないと感じる職員もいるようです。そのため、よりスピード感を意識して導入を進めなければならないと思っています。

2-2使用有無の二極化が課題
コンプライアンスに関わるリスクも
湯澤 本学においても、皆さまと同様に個人情報や機密情報の取り扱いに関してはガイドラインを策定し、注意を促している状況です。また、ハルシネーションリスクや生成AIを使う層・使わない層の二極化は生産性向上を阻む課題の一つであると捉えています。一方で、生成AIを有効活用している事例を吸い上げ、知見を組織の共有財産にできていない状況も課題となっています。おそらくわれわれの知らないところで生成AIを効果的に活用している職員がいるかと思うのですが、そうした事例を積極的に収集し、成功事例を類型化して学内に広く周知することも必要だと感じています。部署に特化した生成AIを導入していきたいという現場からのニーズも上がってきています。今後はそうした学内全体での知見の蓄積を図るとともに、職員が生成AIを活用しやすくなるような構造的な仕組みの構築も進め、全職員による継続的な生成AIの活用を促進していきたいと考えています。
坂倉 セキュリティに関しては、通常業務でも利用しているOneDriveやSharePointといったクラウドサービスの利用に準拠した適切な利用であれば、過度に心配する必要はないと私は考えています。生成AIではデータを学習されないように気を付ける点は注意が必要ですが、組織契約している生成AIサービスであれば通常はオプトアウト※2が取り入れられており、事務利用であれば問題ないと思います。一方で、セキュリティリスクが高い個人契約の生成AIの使用は防ぐ必要があります。本学では業務環境として「Copilot」を利用できますが、幅広い業務ニーズに対応できない機能もあります。例えば、画像生成では「Copilot」より高精度で細かく出力調整できる生成AIサービスも登場していて、そういった生成AIを個人契約で利用されてしまう可能性もあります。万が一、個人の生成AIを利用されてしまうと組織の管理権限が及ばない領域で生成AIが使われ、入出力データの意図しない流出や生成AIモデルの学習への利用などのリスクが生じます。そのため、多様な業務ニーズに応じて使える生成AIの選択肢を業務環境として整えることが組織的なリスク管理にもつながると考えます。
また、システム面のセキュリティ管理に加えて、利用する職員もコンプライアンスを意識した適切な利用をする必要があると実感しています。例えば、生成AIと著作権の問題があります。学内検証の一つとして、「RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)」を活用して外部研究費の事務処理マニュアルを解説するQ&Aボット作成を試みましたが、マニュアル自体の著作権は発行元機関が所有しており、生成AIで作成したボットの利用方法次第では著作権侵害につながる恐れのあることが判明しました。生成AI利用では、このような法的リスクも考慮し、法務担当部署とも相談しながら利用方法を考えるなどの対応が必要とも感じました。

3-1グローバル化に伴う
翻訳業務での生成AI活用
河越 これまでのお話にもあったように、グローバル化に伴い、翻訳における生成AIの活用の重要性が高まっているように感じます。例えば、建学の精神などを翻訳する場合、決まった単語を使うようなケースもあるかと思いますが、各大学でどのように翻訳で活用されているかお聞かせください。
坂倉 本学では、文書翻訳AIツールを導入していますが、本学固有の部署名・役職・用語を適切に訳出するために共通の対訳表を用意し、翻訳時に利用できるようにしています。最初に対訳表を作る手間はかかりますが、学内で共有することで他の生成AIでも利用でき、組織的な訳出の統一性が保たれ、翻訳品質の向上につながると考えています。
喜多 本学でも大学独自の組織や役職などについての専用用語の英語表記集を作成しています。それを生成AIに読み込ませて翻訳に生かそうとしているのですが、余計な解釈が入ってしまうことがあり、こちらの意図に沿った翻訳をさせるのが難しいというのが現状です。そのため、現在は生成AIではなく、機械翻訳に表記集を反映させる取り組みを行っています。それが成功すれば、学内文書の翻訳もスムーズになると期待しています。
武田 本学では翻訳業務の範囲が限られているため、留学などに対応する国際センターでのメールのやり取りに生成AIを利用する程度です。そのため、対訳表などは特に用意していません。ただ、大学独自の学部名や役職名、組織図といった基本情報に関してはドキュメントを作り、教職員であれば誰でも使える状態にしています。チャットボットを作ったり、プロンプトを入力したりする際には、そのファイルを引用して生成AIが言葉を正しく認識できるようにする試みは行っています。
湯澤 本学では部署名や役職名は対訳表を作成し建学の精神等は学生便覧を翻訳し展開していますが、生成AIで翻訳する際に対訳表を呼び出せるような活用まではできておりません。グローバル化への対応力を高めるための生成AIを活用した翻訳支援体制について、具体的な検討を進めていきたいと考えています。
3-2生成AIと大学事務の未来像
河越 各大学で生成AIの活用が始まっていますが、今後、活用の幅はさらに広がっていくと予想されます。その時、大学事務においてどのような未来像を描くことができるでしょうか。皆さまの展望を聞かせていただきたく思います。
喜多 本学では、検索と生成を組み合わせるRAGの活用がまだ不十分です。RAGを活用して生成型のボットを作ることができれば、人事や会計の規程、契約手続き等の業務にかかる時間を大きく削減できると思います。また、現在の生成AIは、職員が能動的に使わないと機能しません。しかし、近年は、問い合わせに対して自動で返信したり、業務上のやり取りを自動で記録する、能動的に動くエージェントのような生成AIも登場しています。そのレベルまで達すると、逆に人間がそうした作業をできなくなってしまうというデメリットも考えられますが、うまく調和しながら活用の幅を広げていきたいと考えています。
武田 本学では、エンロールメントマネジメントの取り組みの一つとして、さまざまなデータを集約して活用できるデータウェアハウスの構築を進めており、現在、実現可能性や効果を検証するための「PoC(Proof of Concept)」を実施しています。データウェアハウスにより、それまで人間の経験や勘で行っていた業務をデータに基づいて適切に遂行できるようになります。また、そこに生成AIを組み合わせることで、データ分析や必要なアクションを提案してくれ、データ活用のハードルを下げることができます。生成AIにとって整備された情報は非常に有効ですので、データウェアハウスと生成AIをうまく連携させながら、教職員をサポートできる環境を作っていきたいと思います。
3-3生成AIがもたらすもの
生まれた時間で新たなチャレンジを
湯澤 RAGに関しては、本学でも既にPoCの段階まで進めており、24時間利用可能な生成AIチャットボットを導入して窓口の開設時間削減と即時性の高いサービス提供を目指していきたいと考えています。生成AIの導入から約1年が経ちますが、これまでの実績から大きな可能性を感じています。今後は、大学が掲げるビジョンの実現に向けて、生成AIをいかに戦略的に活用していくかが問われることになるでしょう。また、大学には、学生、保護者、教員などさまざまなステークホルダーが関わっていますが、それに対して新たな価値を提供できるような生成AIの活用方法を本格的に検討していかねばならないと思っています。今後はDX化の次の段階として具体的なビジョンを明確にし、未来のモデルケースを創出するために、生成AIの活用に取り組んでいきたいと考えています。
坂倉 生成AIはもはや当たり前の存在になっていて、学生にも想像以上のスピードで浸透しています。職員にとっては、生成AIを「使うか使わないか」という選択ではなく、生成AIが当たり前に使われる社会になっていることを前提に、業務や大学サービスを考えることが重要だと思います。例えば、大学情報をWebで検索する場合も、生成AI要約による検索が増え、検索エンジン対策ではなく生成AIに参照してもらいやすくする対策が大事になっており、HPの作り方一つでも、生成AI前提に考えていく必要があります。
また、大学事務は書類ベースで、規程やルールに基づくマニュアル化された反復的な業務も多く、誰がやっても同じ結果を求められることが少なくありません。まさに生成AIによる代替効果が高い業務であり、将来的には大学職員の業務が生成AIに取って代わられる可能性も高いと思います。ただし、生成AIを脅威と捉えるか、機会と捉えるかは、生成AIの使い方次第ではないでしょうか。重要なのは、生成AIの活用を時短・業務効率化にとどめるのではなく、業務やサービスの質的な変化をいかに生み出せるかにつなげていくことです。生成AIによる効率化やスキル拡張といった恩恵を受けることができれば、新しい業務・サービスを考える時間を増やせたり、今までできなかったことができるようになったりします。「生成AIのおかげで仕事が楽になった」ではなく、生成AI時代にあるべき大学の業務の進め方やサービスを考えて「生成AIで新しいことをやってみよう」という主体的なチャレンジ精神を職員は持つべきだと思います。そのために、本学でも多くの職員に生成AIに触れてもらい、生成AIの活用方法を考えていく機会を作っていきたいと思います。
河越 皆さまのお話を伺って、既に生成AIが当たり前の存在になっており、大学事務の在り方も変わっていく局面にあることを実感しました。本日はありがとうございました。

〈注〉
※1 生成AIが、誤認や論理の矛盾を含む事象や、事実に基づかない情報を作り出してしまう現象のこと。
※2 個人情報の第三者への提供を許可しないことや、不要な情報を受け取ることを拒否することなど。
